西表島でビーチクリーン
6月5日は世界環境デー(環境の日)
今回のコラムはリモートセンシングから少し離れて、先日参加した西表島でのビーチクリーン活動をご紹介します。
RESTECは、2019年にイオン環境財団と持続可能な地域づくりの実現に向けたリモートセンシング技術活用に関する連携協定を締結し、森林資源量調査などに取り組んできました。そのご縁で、今回は舞台を海に変え「ビーチクリーンアップ大作戦in中野海岸」へボランティアの一員として参加してきました。この活動は、イオン環境財団とイオン琉球が主催し、竹富町の協力を得て2023年5月21日に行われたものです。
海洋ごみと西表島
「海洋ごみ」という言葉を聞いたことはありますか?海を漂流し海岸に押し寄せる漂着物のことです。
その中でも、多くの割合を占めるのがペットボトルなどのプラスティック製品です。木材や紙とは異なり自然分解されにくいため、数百年という非常に長いスパンで自然界へ残り影響を与え続けるといわれています。
このプラスティック海洋ごみの多くは、実は陸地から流出しています。風で飛んだレジ袋、道端に放置されたペットボトルなどが風雨によって河川入り、そこから海へ流出するのです。海へ流出したごみは、海流に乗って遠くへ運ばれ、一部は海底に沈み、一部はどこかの海岸へ漂着します。
四方を海に囲まれた日本は、日本海、太平洋、東シナ海などの海域にかかわらず、多くの海岸が海洋ごみによる海岸の環境の悪化、海の生き物への影響、船舶の航行や漁業への被害等の影響を受けています。
-
今回訪れた西表島は、黒潮と亜熱帯高気圧の影響を受け、マングローブ林など亜熱帯の多様な広葉樹林が広がる豊かな自然を有しています。また、生物多様性の保全において極めて重要な地域であることが評価され、2021年に「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表」としてユネスコ世界自然遺産の指定を受けています。
しかしその一方、黒潮や季節風の影響による海洋ごみの問題も抱えています。沖縄県に漂着する海洋ごみのうち4分の1もの量が、西表島に漂着しているとの調査結果もあります。
大量の漂着ごみによる海岸の植生や海浜生物へのダメージリスクが危惧されるとともに、ごみが景観を損なうことで島の重要な産業である観光への影響も懸念されます。
「ビーチクリーンアップ大作戦in中野海岸」
西表島では、沖縄県の海岸漂着物地域対策推進事業として西表エコプロジェクトが主催し、NPO法人西表島エコツーリズム協会後援のもと海岸漂着ごみを回収・モニタリングする「ビーチクリンナップ大作戦」が、住民参加のワークショップとして定期的に実施されています。
今回清掃対象となった中野海岸は、アクセスが良いため清掃の機会が比較的多い海岸です。それでも、この日1時間ほどの作業で集めたごみは想像を超える量でした。
活動で集めたごみは石垣島へ運び処分されますが、処分にも費用がかかります。
私たちの日々の生活で、プラスティックごみを減らす工夫が必要です。
【ゴミの内訳(45L袋換算)】
発泡スチロール72
船具・漁具2
ブイ30
PTボトル24
その他プラスチック36
ガラス製品3.5
電球2
缶類1
危険缶類1
その他(ライター9個、釣針など)
合計 171.5袋(トン袋では13袋)