ナイル川流域の灌漑農地
ナイル川流域の灌漑農地
ナイル川沿岸では、約6000年もの間、1年周期で起こるナイル川の洪水を灌漑に利用する農法を行なってきました。これは、ナイル川の洪水を肥沃な浮遊土砂も一緒に合わせて堤防で仕切られた区画に入れて貯水し、洪水が引くときに排水して耕地とし、作物を作付けしていました。定期的な貯水と排水を繰り返すことにより土壌の塩分を除き、1年周期で肥沃な土層が堆積されることもあり、永年にわたり耕地が衰えることなく豊かな地力を保つことができました。これが古来より「エジプトはナイルの賜物」と言われたゆえんです。
この農法も1964年にアスワンハイダムへの貯水が開始されると共に姿を消しましが、近年では、耕地の塩害の問題を克服するのが最大の課題となっています。