PALSAR(フェーズドアレイ方式Lバンド合成開口レーダ)
- 「PALSAR」は、雨天や曇天といった天候条件、また昼夜にも影響されずに観測ができる能動型のマイクロ波センサです。地球資源衛星1号(JERS-1)に搭載された合成開口レーダ(SAR)の機能・性能をさらに向上させたもので、Lバンドを用いています。
- 高分解能モード(観測幅約70km・地上分解能10m)に加え、広域モード(観測幅250~300km・地上分解能100m)を有しており、利用目的に応じて使い分けることができます。
PALSARは、干渉処理による地殻変動図の作成や、特定区域の監視などに適しています。
PALSARによって観測された豊後水道の画像
上の画像は、ALOSが豊後水道上空を南から北に抜ける平成18年2月15日の夜間(22時16分頃)に、PALSARから観測した夜間画像です。
左図は、富士山から伊豆半島にかけての全体図(右上図:幅70km×長さ140km)を、国土地理院の国土数値情報を用いて鳥瞰図表示したものです。右下の富士山山頂の拡大画像では、山頂付近から西側に見られる大沢崩やその他の地形構造が細かく捉えられています。
PALSARはマイクロ波を用いた合成開口レーダで、天候、昼夜の別なく観測できます。本画像も夜間観測で得られたもので、当地は小雨ぱらつく気象条件でしたが、PALSARでは良好な画像を得ることができました。
PALSAR主要諸元
高分解能モード
中間周波数 | 1270MHz(L-band) | |
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バンド幅 | 28MHz | 14MHz |
偏波 | HH or VV | HH+HV or VV+VH |
入射角範囲 | 8~60° | |
地上分解能 | 7~44m | 14~88m |
観測幅 | 40~70km | |
量子化ビット数 | 5ビット | |
Data rate | 240Mbps | |
雑音等価後方散乱係数 (オフナディア角34.3°) |
< -23dB(観測幅70km) < -25dB(観測幅60km) |
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信号対アンビギュイティ比(S/A) (オフナディア角34.3°) |
< 16dB(観測幅70km) < 21dB(観測幅60km) ※PALSARの技術変更により低下することがあります。 |
|
ラジオメトリック精度 | 1シーン内で1dB 1軌道内で1.5dB |
|
アンテナサイズ | アジマス方向8.9m x エレベーション方向3.1m |
※オフナディア角41.5°の時、北緯87.8°および南緯75.9°を超える範囲は観測不可能です。
広観測域モード
中間周波数 | 1270MHz(L-band) |
---|---|
バンド幅 | 14MHz、28MHz |
偏波 | HH or VV |
入射角範囲 | 18~43° |
地上分解能 | 100m(multi look) |
観測幅 | 250~350km |
量子化ビット数 | 5ビット |
Data rate | 120Mbps、240Mbps |
雑音等価後方散乱係数 (オフナディア角34.1°) |
< -25dB |
信号対アンビギュイティ比(S/A) (オフナディア角34.1°) |
> 21dB ※PALSARの技術変更により低下することがあります。 |
ラジオメトリック精度 | 1シーン内で1dB 1軌道内で1.5dB |
アンテナサイズ | アジマス方向8.9m x エレベーション方向3.1m |
※オフナディア角41.5°の時、北緯87.8°および南緯75.9°を超える範囲は観測不可能です。
多偏波モード(実験モード)
電力の関係により、運転時間に制限があります。
中間周波数 | 1270MHz(L-band) |
---|---|
バンド幅 | 14MHz |
偏波 | HH+HV+VH+VV |
入射角範囲 | 8~30° |
地上分解能 | 24~89m |
観測幅 | 20~65km |
量子化ビット数 | 3 or 5ビット |
Data rate | 240Mbps |
雑音等価後方散乱係数 (オフナディア角21.5°) |
< -29dB |
信号対アンビギュイティ比(S/A) (オフナディア角21.5°) |
> 19dB ※PALSARの技術変更により低下することがあります。 |
ラジオメトリック精度 | 1シーン内で1dB 1軌道内で1.5dB |
アンテナサイズ | アジマス方向8.9m x エレベーション方向3.1m |
※オフナディア角41.5°の時、北緯87.8°および南緯75.9°を超える範囲は観測不可能です。